不動産投資Q&A
収益性
Q1.不動産投資の特徴・メリットは
金融機関からお金を借りて不動産を取得することができますので、少ない自己資金で大きな投資を行うことができます。大きな投資となれば、リターンも大きくなり、そこから借入金の返済を差し引いても相当なリターンが見込めるケースがあります。小さな力であってもテコを利用して大きな力を得られることに例えて、”レバレッジ(テコ)効果”と呼ばれています。 また、不動産投資は、不動産の現物そのものを所有するというオーナーとしての優越感が持てます。
Q2.利回りとは
よく広告に掲載されている利回りは表面利回りと呼ばれているもので、物件価格に対する賃料収入の割合を示しており、あくまでも参考利回り程度のものです。 賃貸事業の実態を表す利回りを、ネット利回りといい物件価格に対して賃貸事業の収入からコストを差し引いた実収入の割合となります。 したがって、ネット利回りは、表面利回りより低くなります。おおまかにいえば、一棟マンションの表面利回りの80%程度、一棟ビルで表面利回りの70%程度がネット利回りとなります。
Q3.家賃収入以外のメリットは
家賃収入以外のメリットとしては、収益用不動産を所有することで、相続時の財産評価を下げることができます。細かい説明は省略しますが、おおざっぱに申し上げれば時価の半分くらいの評価になります。 かつては、賃貸事業の赤字をその他の所得と合算して、所得税の節税を目的とする不動産投資がありましたが、あまり健全な運営状態と言えず、あくまでも右肩上がりの不動産マーケットを前提とした昔の話です。
経営・運用
Q1.不動産投資のリスクは
不動産投資は賃貸事業によるインカム収入と投資終了時の売却によるキャピタル収入の2つのリターンがあります。この2つのリターンが得られなくなることが、不動産投資のリスクとなります。インカム収入が得られなくなるケースでは、①人災・自然災害による建物の消滅。②テナントトラブルや犯罪事件による極端な入居率の低下。③周辺エリアの環境変化や競合物件の出現。④テナントの賃料不払いといった収入面と④設備更新にともなう大規模修繕コストの発生。⑤借入金の金利変動。⑥税制改正による税負担増。 といった支出面が挙げられます。また、キャピタル収入については、不動産マーケットによってキャピタルロスが生じる可能性があることと、そもそも他の金融商品と比較して流動性が低いことが挙げられます。
Q2.保有時のコストは
毎年経常的にかかるコストは、①建物管理委託コスト②建物の小規模修繕コスト③賃貸管理委託コスト④固定資産税・都市計画税⑤火災保険(長期一括払いのケースもあり)などがあります。またテナントの入れ替えごとに、貸室内のリフォーム費用や状況により設備の交換費用等が発生します。また区分所有建物以外の一棟収益用不動産では、10年単位で建物の大規模修繕工事が必要になります。大規模修繕工事のコストは、修繕とみなされる工事については、その年度の工事費用としてみなされますが、資産価値の向上に寄与する内容の工事代は資本的支出とみなされ、その年度のコストとして認められないことに注意してください。(以後、毎年減価償却として費用計上)
Q3.賃料収入のコストは
所得税は、課税対象となる所得金額に対して最低5%~最高40%の所得累進課税です。1800万超の所得に対して、最高税率の40%が適用されます。さらに住民税が一律10%ですので、高額所得者は所得に対して、おおむね50%の税金を納税することになります。資産形成の観点からは、所得税による外部流出をいかに軽減できるかがポイントとなります。所得税は累進課税となっておりますので、所得を配偶者やお子様に分散し、所得税の税額を低くする方法が考えられます。
自己資金・銀行融資
Q1.購入時の必要経費は
収益用に限らず、不動産を購入する場合には、登録免許税や不動産取得税の負担があります。新築であることや用途が住宅であることで不動産取得税の軽減の特例を受けられる場合があります。また不動産売買契約書は、課税文書のため印紙税が課税されます。不動産を仲介会社を介して購入する際には、不動産会社に対して、仲介手数料が生じます。さらに不動産の建物部分の売買について、消費税が課税されます。(土地は非課税です。)その他、火災保険や借入を行う場合には融資関連の諸費用が必要となります。
Q2.融資のメリットは
投資金額が大きくなる分、リターン収入も大きくなり、そこから借入金の元金と利息の返済後のリターンが自己資金だけで投資したリターンよりも大きいケースでは、トクすることになります。(レバレッジ効果)ただし、収入の減少や維持コストの増加に伴って賃貸事業の収支が悪化し、借入金の返済ができなくなってしまうことも考えられます。その場合、借入金の一括返済を求められ物件を売却しなくてはいけないケースもあります。
立地条件
Q1.現地調査の必要性は
もちろん必要です。収益用不動産の場合、テナントが満室の場合には室内を見学することができませんが、もし募集中の空室があれば、必ず室内を見学してください。外観見学だけでもいろいろなことが確認できます。 エントランスや郵便受け周りを見れば建物がきちんと使われているかがわかります。床面や排水溝、窓などを見れば、きちんと清掃しているか、また植栽管理に目が行き届いていているか確認できます。ゴミ出し場や自転車置き場の状況を見れば、入居者のおおまかなレベルは想像がつくものです。また晴れた日と雨の日、昼と夜とで4つの顔を持っていますので、それぞれ眺めてみると、意外な表情が隠されているかもしれません。