高齢者を取り巻く現状
現在、高齢化や核家族化により、高齢者が高齢者を介護する「老老介護」が問題になっています。 さらには、認知症の高齢者が認知症の人を介護する「認認介護」の増加もしてきされています。 現在の介護の現状についてここでは定量的にデータを紹介します。
定量データで見る高齢者介護
【男女別、介護が必要な高齢者データ】 ■ 男性:32.8% ■ 女性:67.2% 上記の通り、女性が67.2%を占めています。 また、同居して主な介護をしている人は、配偶者、子、子の配偶者です。男女別では女性が69.4%で、そのうち60%が60歳以上です。また、男性でも、介護をしている人の年齢は65%が60歳以上となっています。
介護の課題
介護の費用負担の意識調査では、年金収入でまかなうと考える人が最も多くなっています。しかし、今後、年金財政が厳しくなる中、年金だけでまかなえるのか不安な面もあります。 同居の介護時間を見ると、「ほとんど終日」が要介護3以上から30%を超え、要介護5では50%にも達しています。「半日程度」も含めると、要介護3から50%を超え、負担の重さを示しています。 また、ほとんど終日と答えた介護者70%は女性です。老老介護では、主に女性が介護していることもあり、介護者の体力面、精神面の問題なども指摘されています。体力の衰えた高齢者の介護者では、介護による肉体的負担で新たな病気になることがあります。大半の時間を介護に割くことでストレスも大きくなり、「介護疲れ」による様々な問題が表面化しています。また、介護者の死亡による「孤立死」が問題にもなっています。
日本の人口推移

(出典)総務省「国勢調査」及び「人口推計」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成24年1月推計):出生中位・死亡中位推計」(各年10月1日現在人口)、厚生労働省「人口動態統計」

一日本の人口については、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成24年1月推計)」における出生中位(死亡中位)推計を基に見てみると、総人口は、2030年(平成42年)の1億1,662万人を経て、2048年(平成60年)には1億人を割って9,913万人となり、2060年(平成72年)には8,674万人になるものと見込まれています。 また、生産年齢人口(15~64歳の人口)は2010年(平成22年)の63.8%から減少を続け、2017年(平成29年)には60%台を割った後、2060年(平成72)年には50.9%になるとなるのに対し、高齢人口(65歳以上の人口)は、2010年(平成22年)の2,948万人から、団塊の世代及び第二次ベビーブーム世代が高齢人口に入った後の2042年(平成54年)に3,878万人とピークを迎え、その後は一貫して減少に転じ、2060年(平成72年)には3,464万人となっています。 そのため、高齢化率(高齢人口の総人口に対する割合)は2010年(平成22年)の23.0%から、2013年(平成25年)には25.1%で4人に1人を上回り、50年後の2060年(平成72年)には39.9%、すなわち2.5人に1人が65歳以上となることが見込まれています。